心のかたすみ食堂

2019年6月12日 更新

京都 京極スタンド

昭和2年、京都一の娯楽街「新京極」の中心に、モダンな食堂「京極スタンド」が開業した。その物語は、関東大震災に見舞われた浅草育ちの杉山春雄さんが、逃れるように京都の親戚を訪ねて来たことから始まる。寄席や劇場、映画館が並ぶ往 […]

昭和2年、京都一の娯楽街「新京極」の中心に、モダンな食堂「京極スタンド」が開業した。その物語は、関東大震災に見舞われた浅草育ちの杉山春雄さんが、逃れるように京都の親戚を訪ねて来たことから始まる。寄席や劇場、映画館が並ぶ往時の新京極を見て、杉山春雄は、生まれ育った浅草の仲見世を投影する。そこで閃いた娯楽こそが、何を食べても十銭という画期的なスタイルの大衆食堂「京極スタンド」だったのである。

大理石のターブルにタイル貼りのカウンター、間接照明にアールを描いた洒落た天井といった店とシステムは、あっと言う間に街の話題となった。昭和20年、二代目の宏さんがバトンを握るも、接客が苦手だったことを理由に、先代の右腕だった中井店長が店を切り回す。 そこに二代目の幼馴染みだった和子さんが嫁いでくる。慣れないお運びや注文、酔客のあしらい方まで、中井店長に叩き込まれたという。

女将が鎮座する帳場は、アメリカは「National」製のウッディなレジスターが、今も現役で活躍する。注文書=計算早見表は馴染み客の大学の教授が考案したものだとか。各横列の一番右側の赤丸で囲んだ数字をすべて足すと、お会計が算出される仕組みだ。

おすすめメニューは、2人前?と疑うほどの野菜もたっぷりのボリューム、「熱々とろとろ」&「サクサク」の食感は病みつきものの「揚げそば」770円に、 スタンド洋食の定番中の定番「オムデミグラスソース丼」700円など。おでんやお造りと酒のアテは優に百種はあるだろうか予算は一人3,000円もあればこと足りる。

浪漫酒場「京極スタンド」に酔心する客たちが、開店と同時にどこからともなく集まってくる。女将和子さんと息子、貞之(さだゆき)さんの小気味よい切り盛りで、店内は今日も変わらぬ賑わいを見せている。

京極スタンド

住所
京都市中京区新京極四条上ル中之町546
アクセス
阪急京都線「河原町駅」下車徒歩約5分
TEL
075-221-4156
営業時間
12:00~21:00
定休日
火曜休
URL
http://sutando.aa0.netvolante.jp/index.html

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