心のかたすみ食堂

2019年6月28日 更新

京都 洋食ますや

昭初代店主、関武廣(せき たけひろ)さんがまだ新京極の寿司店「江戸っ子」で修業していた昭和30年頃のことだった。往時の新京極と言えば、それはもう洋食が大層もてはやされ、お洒落の代名詞になっていた時代だ。修行先の大将がいき […]

昭初代店主、関武廣(せき たけひろ)さんがまだ新京極の寿司店「江戸っ子」で修業していた昭和30年頃のことだった。往時の新京極と言えば、それはもう洋食が大層もてはやされ、お洒落の代名詞になっていた時代だ。修行先の大将がいきなり「明日からうちも洋食やるsから、料理はお前に任せた」と言い放ったというのである。真面目だけが取り得の武廣さんは、試行錯誤を繰り返しながら独学で洋食を習得したという。「寿司を覚えるより洋食の方が楽で、これからは有利やろ」そんな大将の叱咤もバネになったらしい。その甲斐あって武廣さんが作る洋食は人気となり、昭和46年、現在の場所に小さいながらも自分の店を構えるまでになった。店名の「ますや」は苦楽を共にした伴侶、ますさんに感謝の意を込めたものだった。そしてそのレシピは、現店主、二代目の雄二さんに受け継がれて行く。

父、武廣さんの努力の賜物「ますや」の洋食レシピはないに等しく、息子の雄二さんにとっては背中を見て学ぶしかなかったという。一番厳しかったのは元寿司職人だけあって、ご飯の炊き方だけは人一倍うるさかったらしい。「とにかく米は優しく研ぎ、蒸らす時間はほぼ勘、炊きあがったご飯は空気を含むように、しゃもじでこれまた優しくほぐす。ガス釜で50人分ほどを一気に炊く飯って、ほんま旨いんですわ」そう雄二さんが話してくれた。すべてにおいてまだ親父を越えられないと、雄二さんは今日も調理場でひたすらフライパンを振る。

シンプルながら、何とも言えない口当たりの優しいハンバーグ、油が跳ねる音で揚がり時を計るエビフライ、そこにポークピカタが入ったBランチは700円。ロースハムそして牛肉、エビ、玉ねぎ、玉子を放り込み、あえてマーガリンで炒めるヤキメシ450円を頼んだならあなたはもうここの常連である。

ますや

住所
京都市下京区高倉通松原上ル杉屋町265
アクセス
阪急京都線「烏丸駅」、地下鉄烏丸線「四条駅」下車徒歩約10分
TEL
075-351-3045
営業時間
11:00~18:30 土曜 11:00~17:00
定休日
曜・祝日休

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