虫メガネの昭和遺産

2018年5月21日 更新

「メガネの昭和遺産」其の二 京都市動物園の観覧車編

ゴンドラが夕日に照らされるとき、誰もが郷愁を覚える。 そう、それが京都市動物園に遺る、本州に現存する最古の観覧車だ。明治36年、市民の寄付と市費により「京都市動物園」が開園。その園内にある、日本科学遊園㈱経営下の遊園地が […]

ゴンドラが夕日に照らされるとき、誰もが郷愁を覚える。 そう、それが京都市動物園に遺る、本州に現存する最古の観覧車だ。

明治36年、市民の寄付と市費により「京都市動物園」が開園。その園内にある、日本科学遊園㈱経営下の遊園地が「こども汽車」の運転を皮切りに営業を始めたのは、戦後間もない昭和21年のこと。それから10年後の昭和31年に、まだ珍しかった観覧車が華々しくデビューする。4人乗りのゴンドラが全12基、全高12mの高さからは、岡崎公園はもちろん東山一帯を見晴らせる、絶好の展望スポットとなった。国内で現存する最古の観覧車が、昭和25年に北海道は大沼公園に登場した「空中観覧車」であるが、この施設自体が昭和31年に、函館公園の「こどものくに」の開園に際して移設されたことから、登場からずっとその場を同じくして存在する観覧車としては、わが国最古の観覧車を誇る。観覧車の乗り場の案内表示によると、平安末期の頃、法勝寺というお寺がこの辺りにあり、ちょうどこの観覧車の場所には、なんと高さ81mもの八角九重塔が建っていたというから、そんなことを知って乗れば、これまた感慨深いではないか。200円で1周2分、わずかな時間だがタイムスリップ感を楽しめるゴンドラ特等席は、なんとも味わい深い。この観覧車とともに、幼少期を過ごした人々ももう還暦時分、夕日に照らされたゴンドラが、何だか哀愁を帯びたように映るではないか。

京都市動物園の観覧車

住所
京都市左京区岡崎法勝寺町 京都市動物園内遊園地
アクセス
地下鉄東西線「蹴上駅」から徒歩約7分 市バス「岡崎公園動物園前」下車すぐ
TEL
075-771-0210
営業時間
9:00~17:00(3~11月)、:00~16:30(12~2月)
入園料
一般600円、中学生以下無料

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