京都、たまゆら肝のぞき

2019年7月30日 更新

京都 瀧尾神社

大丸創設と祇園祭にまつわる秘話 瀧尾神社(たきのおじんじゃ)の由来創建時期は不詳ですが、もともとは東山三十六峰のひとつ阿弥陀ヶ峰(あみだがみね)の鳥辺野(とりべの)の中に建てられた小さな祠(ほこら)だったと聞く。それがお […]

大丸創設と祇園祭にまつわる秘話

瀧尾神社(たきのおじんじゃ)の由来

創建時期は不詳ですが、もともとは東山三十六峰のひとつ阿弥陀ヶ峰(あみだがみね)
の鳥辺野(とりべの)の中に建てられた小さな祠(ほこら)だったと聞く。
それがおよそ500年前の「応仁の乱」で焼失、その後、三十三間堂の南門を少し東に
入ったところに移され、天正時代になると方広寺建立に伴い今度は太閤さんの命を受け、
この地に社を遷座(せんざ)させた。
祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)で大国主命(おおくにぬしのみこと)の別称である。
現在の本殿、拝殿、手水鉢ちょうずばち)、絵馬舎(えましゃ)は在大丸百貨店の創設者
下村家が江戸後期に造立。本殿は貴船神社奥宮の旧殿を移築、改築したものである。

下村家(現・大丸百貨店の創業者)との繋がり

江戸時代後期になると、下村彦右衛門(しもむらひこうえもん)という担ぎの呉服
商人が現れます。行商の行き帰りに必ずここ伏見街道沿いの瀧尾神社(たきのおじんじゃ)
に参り、商売繁盛を一心に祈願したと言われている。この商人こそ、現大丸百貨店の創業
者、その人である。その甲斐あってか商売繁盛した下村彦右衛門が、天保10年(1839)
頃に、拝殿の天井にある木彫りの龍を寄進したと伝えられている。胴体は杉、頭は桧、鍍金
(メッキ)の目を持ち、手には金の玉を握る。全長8mにもおよぶ龍の制作費は、およそ
2500両、今の金額にすれば5億は下らないという巨額な費用が投じられた。

彫刻家、久山慎太郎作のお話

もちろん一番の見どころは、先にも述べた木彫りの龍ですが、子の龍実は、彫刻家九山
新太郎(くやましんたろう)の渾身の作と伝えられる。近年、祇園祭の大船鉾が150年
ぶりに復活した際、元々飾られていた舳先(へさき)の龍頭が、実はこの久山作ではな
かったかという説が浮上する。この神社の龍を早速調べたところ、頭部が外せること、
またその首部には天秤のような仕掛けがあり、頭が上下に揺れる構造であることが解り、
舳先(へさき)に使用されていたことは、有力説となった。同社の久山の作品はこれに
とどまらず、本殿の回廊にには柿を食べる猿や、親子の犬などの干支や、阿吽(あうん)
の龍、鳳凰や麒麟などのさまざまな動物や霊獣が見事なまでに彫刻表現されている。

瀧尾神社(たきのおじんじゃ)

住所
京都市東山区本町11丁目718
アクセス
JR・京阪東福寺駅から徒歩約3分
TEL
075−531-2551
拝観時間
拝観自由

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